J.S.Bach 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ　全曲演奏会 Vol.1

ヴァイオリン：浅野（安彦）千恵

私にとって、演奏家としての原点であり、育てていただいた、名古屋 スタジオ・ルンデの後継ホールであるHalle Rundeで演奏させていただけることには、ただただ感謝と感動の思いでいっぱいです。
お聴きくださる皆様と、天国の鈴木詢先生ご夫妻に喜んでいただけるように、精一杯演奏したいと思います。

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～バッハの無伴奏ソナタとパルティータへの思い～

ヴァイオリンを弾く多くの人にとって、この曲集は夢と憧れであるのは、これまで多くの偉大なヴァイオリニストの方々が、こぞって録音・演奏してきたことでも証明されていると思います。
私にとっても同じで、長年、いつか全6曲を自分の言葉で弾きこなせるようになりたいと憧れ続けてきました。

メンデルスゾーンが再発見するまで、忘れられていたこの曲集が、何故、こんなに多くの人を惹き付けるのか。

多声にわたって表れるメロディと和声を、一挺のヴァイオリンが奏でるというだけでなく、この曲集から生まれる音楽の
壮大さ、神々しさが、他の作曲家にはないものだからではないかと思います。

そして、私がこの曲集の素晴らしさを初めて教わったのは、17歳の時でした。
恩師の藤原浜雄先生が、当時生き字引と呼ばれたジョセフ・フックス先生から直々に伝授されたバッハの無伴奏の解釈の
仕方を、コンクールのために厳しくレッスンしてくださったのでした。
その時に初めてバッハの奥深さを知ることになり、多くのヴァイオリニストの方と同様、私にとっても、他のヴァイオリン曲とは一線を画した存在になりました。

ヴァイオリンを再開した後、細々と練習を続けてきましたが、育児、家事、レッスンに追われ、細切れの練習で納得いく
仕上がりになかなかなりませんでした。
でも年を重ね、いつ何があるか分からないと感じるようになり、お尻に火が付きました(笑)。

今の自分にできる精一杯のバッハを、2回に分けて演奏したいと思います。今回はその第1弾にあたります。
お忙しい中とは存じますが、お運びいただけましたら幸いに存じます。