音響設計とホールコンセプト(2024.9.17)
見るより聴くを目的として
先達からのアドバイス
ホールは「きちんと防音するってことと鈴木詢に言われた平行をつくらないってコトと、堀米ゆず子さんに教えてもらった床材を舞台の壁に対して垂直に貼ること」だけで作りましたって言いつづけてますが、「音響設計は誰?」って聞かれることも増えてきたので、何を調べて、何を考え、何を使ったかを思い出しながらまとめてみました。
残響についての思考
ホールの理想の残響時間は2秒(500Hz)といわれていますが、これが正しいのかどうなのか個人的にはまったくわかりません。音楽が進行しているなかでの残響と、音楽が終わったあとでの残響では当然感じ方も変わります。
そもそも音響設計の本やサイトを見ていると、大きなホールでいかに全体に響きをつたえるかというコトばかりで、室内楽専用のホールのコトなんて調べても詳しく書いている文章はみあたりません、、やっぱり自分で考えろってコトですよね。(鈴木詢さんからも自分で考えて作れって言われてましたし、、)
ホール内の構造上は無観客で500Hzで残響時間を2秒以上を目指し、音の減衰や音の伝わり方、ホール自体を楽器だと考えこれまでの人生で数多くのホール(講演会会場の方が多いですが)で感じた音響を参考にどういう音楽の場を作りたいかを目指してカタチと材料を選びました。
まず、大きさと予算と契約の関係上、ホールの容積・表面積はほぼ変更できません。
当初の予定図面から算出した容積・表面積から、吸音力の小さい残響時間の長い室の計算に適したセービンの式を用いると、吸音率が0.15以下であれば2秒以上の残響時間となることがわかりました。これは側面壁や天井に用いる木製パネル(空気層があり、表面が振動する)が0.12なので達成できそうな空間だと安心しました。(* 最終的な図面でもほぼかわらず、注1の数式を参照ください。)
2秒って結構長いです。
音であれば約680M進みます。このホールの舞台側壁から客席後方壁の距離が14.5Mなので、壁が平行だとすると46回は反射が起きます。1回の反射で1割が壁に吸われると考えると10回も反射すれば音の進む距離での減衰も当然生じてますから、音は消えるはずです。
点と線の話ならこれでいいんでしょうけど音は空気を伝わって広がります。そう音は球のように広がります。また音圧100dbの音源が2つ同時に発音しても200dbにならず103dbにしかならないように、距離による減衰も距離が2倍になったからといって音圧が半分になるわけではありません。
そう、物理と数学の時間です。こうやって書くとこの先だれも読んでくれなさそうなので、話を砕きます。
・1点から発した音は球のように全体に広がり、壁にぶつかった時点で反射して方向を変えます。
・音は時間すなわち進んだ距離と共に減衰します
いろいろ考えたり、様々なホールを思い出したりして、音が進んだ先の体積が小さくなれば、音圧の減少を軽減できるのではないかと仮説をたてました。(注2:参照)
この仮説と、ホール内に平行な面をつくらないという大前提の結果が、天井の傾斜と壁面の形状です。天井は舞台から客席に向けては90cm高くなっていき、天井が5mに達したところからは客席後方にむけて25cm低くなっていく。壁面も天井が5mに達するまでは広がっていき、その後は舞台幅(舞台袖を除いた部分)両端から客席後方の壁まで真っ直ぐ線を引き、それの線に平行になり広さも充分どれるように狭くなったり広くなったりと変化を起こしています。
とにかく沢山の向きの反射をつくり音源から線を引くなら同じ経路を通らないように複雑にしたいと考えました。
そもそも音響設計の本やサイトを見ていると、大きなホールでいかに全体に響きをつたえるかというコトばかりで、室内楽専用のホールのコトなんて調べても詳しく書いている文章はみあたりません、、やっぱり自分で考えろってコトですよね。(鈴木詢さんからも自分で考えて作れって言われてましたし、、)
ホール内の構造上は無観客で500Hzで残響時間を2秒以上を目指し、音の減衰や音の伝わり方、ホール自体を楽器だと考えこれまでの人生で数多くのホール(講演会会場の方が多いですが)で感じた音響を参考にどういう音楽の場を作りたいかを目指してカタチと材料を選びました。
まず、大きさと予算と契約の関係上、ホールの容積・表面積はほぼ変更できません。
当初の予定図面から算出した容積・表面積から、吸音力の小さい残響時間の長い室の計算に適したセービンの式を用いると、吸音率が0.15以下であれば2秒以上の残響時間となることがわかりました。これは側面壁や天井に用いる木製パネル(空気層があり、表面が振動する)が0.12なので達成できそうな空間だと安心しました。(* 最終的な図面でもほぼかわらず、注1の数式を参照ください。)
2秒って結構長いです。
音であれば約680M進みます。このホールの舞台側壁から客席後方壁の距離が14.5Mなので、壁が平行だとすると46回は反射が起きます。1回の反射で1割が壁に吸われると考えると10回も反射すれば音の進む距離での減衰も当然生じてますから、音は消えるはずです。
点と線の話ならこれでいいんでしょうけど音は空気を伝わって広がります。そう音は球のように広がります。また音圧100dbの音源が2つ同時に発音しても200dbにならず103dbにしかならないように、距離による減衰も距離が2倍になったからといって音圧が半分になるわけではありません。
そう、物理と数学の時間です。こうやって書くとこの先だれも読んでくれなさそうなので、話を砕きます。
・1点から発した音は球のように全体に広がり、壁にぶつかった時点で反射して方向を変えます。
・音は時間すなわち進んだ距離と共に減衰します
いろいろ考えたり、様々なホールを思い出したりして、音が進んだ先の体積が小さくなれば、音圧の減少を軽減できるのではないかと仮説をたてました。(注2:参照)
この仮説と、ホール内に平行な面をつくらないという大前提の結果が、天井の傾斜と壁面の形状です。天井は舞台から客席に向けては90cm高くなっていき、天井が5mに達したところからは客席後方にむけて25cm低くなっていく。壁面も天井が5mに達するまでは広がっていき、その後は舞台幅(舞台袖を除いた部分)両端から客席後方の壁まで真っ直ぐ線を引き、それの線に平行になり広さも充分どれるように狭くなったり広くなったりと変化を起こしています。
とにかく沢山の向きの反射をつくり音源から線を引くなら同じ経路を通らないように複雑にしたいと考えました。
床について
低音楽器の音の振動を心地よく伝えるにはどうしたらよいか。
舞台に接地する、コントラバス、チェロ、バスクラリネット等々の楽器の振動を伝えるか伝えないか。これは「伝える」を選択しました。それが、舞台と客席を同一素材で境目をなくしてフラットにする、観客からの視覚的な楽しみより聴覚的な楽しみを上位に置きました。
表面は堅くそれなりの厚み(単板厚:3.0mm)で本体自体はそれほど重くないフローリング材にすることで、音の反射と振動しやすさのバランスを考えて選びました(200名が出入りする場所とコンサートグランドピアノ等々の重量も考慮の上なので選択肢はそれほどありませんでした)250Hz(ト音記号の5線直下のドとシの間くらい)より下の音は、天井、床、壁面の吸音率が上がります、100Hz(ヘ音記号の5線の一番下のソあたり)では壁の素材の吸音率は0.4とかなり高くなってきます。
木製パネルとサクラ系のフローリング材で覆われた空間は低音域がしっかりホール内部の素材を揺らします。この振動が綺麗につたわるのであれば、ピアノやチューバの低音もしっかりとホール全体が振動して音楽に良い影響を与えると考えました。
舞台に接地する、コントラバス、チェロ、バスクラリネット等々の楽器の振動を伝えるか伝えないか。これは「伝える」を選択しました。それが、舞台と客席を同一素材で境目をなくしてフラットにする、観客からの視覚的な楽しみより聴覚的な楽しみを上位に置きました。
表面は堅くそれなりの厚み(単板厚:3.0mm)で本体自体はそれほど重くないフローリング材にすることで、音の反射と振動しやすさのバランスを考えて選びました(200名が出入りする場所とコンサートグランドピアノ等々の重量も考慮の上なので選択肢はそれほどありませんでした)250Hz(ト音記号の5線直下のドとシの間くらい)より下の音は、天井、床、壁面の吸音率が上がります、100Hz(ヘ音記号の5線の一番下のソあたり)では壁の素材の吸音率は0.4とかなり高くなってきます。
木製パネルとサクラ系のフローリング材で覆われた空間は低音域がしっかりホール内部の素材を揺らします。この振動が綺麗につたわるのであれば、ピアノやチューバの低音もしっかりとホール全体が振動して音楽に良い影響を与えると考えました。
椅子について(axona AICHI X50)
椅子はフロアをフラットにする可能性がある以上座面の高さを4段階にするというのは決めていました。
自由なレイアウトができる可動席というのは決めていたので「軽くスタックしやすく、長時間座っても疲れない、4段階の高さに出来る椅子」を探しました。メーカーがバラバラになったり、正直どれかは妥協しなきゃいけないと思っていました。
探せばあるもんですね、座面3段階、標準の椅子は50脚スタック可能、そしてなにより長時間すわっても疲れない椅子をみつけました。ただ一番低い38cmの高さの椅子は生産していなかったので無理矢理つくってもらいました。
各社のサンプルの椅子を長時間すわって比べることもしています。座面が布製の椅子より、長時間座っていても疲れないとスタッフ全員一致の結果です。特に小柄な女性は太もも裏から膝裏にかけての圧迫が標準サイズの椅子だと起こりがちなのですが、パイプや枠材の位置をずらして足にあたらないような設計になっていて尚且つ、座面のフチが曲がるのでそれによっても圧迫が起こりにくくなっています。
マイナス点は1つ。音を吸収しにくい。観客が入ったときと入っていない時の差の吸音が大きいことです。これはリハーサル時は布をかけたり吸音板をおいたりと運営面でカバーできると考え、他のメリットの方を優先しました。
自由なレイアウトができる可動席というのは決めていたので「軽くスタックしやすく、長時間座っても疲れない、4段階の高さに出来る椅子」を探しました。メーカーがバラバラになったり、正直どれかは妥協しなきゃいけないと思っていました。
探せばあるもんですね、座面3段階、標準の椅子は50脚スタック可能、そしてなにより長時間すわっても疲れない椅子をみつけました。ただ一番低い38cmの高さの椅子は生産していなかったので無理矢理つくってもらいました。
各社のサンプルの椅子を長時間すわって比べることもしています。座面が布製の椅子より、長時間座っていても疲れないとスタッフ全員一致の結果です。特に小柄な女性は太もも裏から膝裏にかけての圧迫が標準サイズの椅子だと起こりがちなのですが、パイプや枠材の位置をずらして足にあたらないような設計になっていて尚且つ、座面のフチが曲がるのでそれによっても圧迫が起こりにくくなっています。
マイナス点は1つ。音を吸収しにくい。観客が入ったときと入っていない時の差の吸音が大きいことです。これはリハーサル時は布をかけたり吸音板をおいたりと運営面でカバーできると考え、他のメリットの方を優先しました。
公衆衛生の面からの補足
床、椅子は来場者が接する場所です、COVID-19という感染症の蔓延も経験しました、この先、同様それ以上のコトが起こることを考えるのは不特定多数の方が来場する場所を作る上では避けてはとおれません。感染症対策はとにかくウイルスに曝露する量(接触確率を減す)をへらすことです。また、悪臭による嫌悪感や、清掃不足に対する不安は、音楽鑑賞環境を著しく損ないます。
椅子の樹脂の座面は、ウイルス、雑菌、体液(汗や排泄物)等を混入、吸収しにくく、消毒や清掃も日常管理のなかで行えます、汚濁の有無の確認も容易です。床面も絨毯やカーペットの場所は極力なくし、消毒効果が高く、水拭きしやすい素材を選択しました。ホール内は全面フローリング、ホワイエ等は長尺ビニル床シートにしています。
椅子の樹脂の座面は、ウイルス、雑菌、体液(汗や排泄物)等を混入、吸収しにくく、消毒や清掃も日常管理のなかで行えます、汚濁の有無の確認も容易です。床面も絨毯やカーペットの場所は極力なくし、消毒効果が高く、水拭きしやすい素材を選択しました。ホール内は全面フローリング、ホワイエ等は長尺ビニル床シートにしています。
舞台背面の反響板的な要素を含む壁面
当初は見た目重視で、無垢の木材に不燃塗料を塗って温かみのある舞台にしようとしていました。消防署とも最初はその方向で話をしていたようですが、年度がかわると実現不可に。急遽、素材選びからやりなおしになりました。設計は固い木材板で進んでいたので、いまさらレンガを積むことも漆喰で塗ることも叶わず、音の反射を重視して、木製パネルより、固くて薄い素材はないかと、探してもらったのがセメントの無垢素材(窯業系平形スレート)「SOLIDO」でした、高圧ロールプレス、高温高圧の蒸気養生により形成されているため、素材内に隙間も少なく、固く、音を反射しやすいと想定し採用しました。
これが、思った以上にレンガっぽく見えて「Studio RUNDE」の面影を残す舞台となりました。
木材板の時は板を仕上げるときに数度の角度をつけて、客席後方壁と水平にならないようにと考えていました、SOLIDO TypeM_LAPは平面板ですが、板と板を重ねて貼っていくので、床に対して若干の角度がそれぞれでつきます。職人さんにはラインだけ揃えて、板の角度はバラバラになるようにしてくださいと、几帳面な職人さん達にとっては嫌がる注文(ホールの壁を貼る頃は僕らのリクエストに慣れきってくれたのですんなり聞いてもらえましたが、、)をしました。
ホールの内側からみて仕上げ材の外側にある、防音の為の床のゴムマット、天井や壁の遮音パネルの塩ビマットの効果が思った以上に音をホール内に留めて響きを残してくれている影響で、無観客で残響2秒以上(500hz)は実現できたのかなと思います。
これが、思った以上にレンガっぽく見えて「Studio RUNDE」の面影を残す舞台となりました。
木材板の時は板を仕上げるときに数度の角度をつけて、客席後方壁と水平にならないようにと考えていました、SOLIDO TypeM_LAPは平面板ですが、板と板を重ねて貼っていくので、床に対して若干の角度がそれぞれでつきます。職人さんにはラインだけ揃えて、板の角度はバラバラになるようにしてくださいと、几帳面な職人さん達にとっては嫌がる注文(ホールの壁を貼る頃は僕らのリクエストに慣れきってくれたのですんなり聞いてもらえましたが、、)をしました。
ホールの内側からみて仕上げ材の外側にある、防音の為の床のゴムマット、天井や壁の遮音パネルの塩ビマットの効果が思った以上に音をホール内に留めて響きを残してくれている影響で、無観客で残響2秒以上(500hz)は実現できたのかなと思います。
コンセプト
- 舞台の壁は上向き数度の角度で強力に反射し音の力をホール全体に伝えます。
- 客席の壁と天井は形と材料で音の反射を複雑にして反射音が調和し一定時間保持します。
- 床は低音の豊かな響きを振動とともに客席まで届けることで奏者との一体感を作ります。
多くの人と一緒に”音楽の場”をつくっていける場所になったと思います。
参考文献
高校、大学で読んでいた物理・数学の本(記憶のはてから引っ張り出す)
ユンゲル・メイヤー 著(日高孝之 訳)『ホールの響きと音楽演奏』 / 市ヶ谷出版社
ハインリッヒ・クットルフ 著(藤原恭司、日高孝之 訳)『室内音響学 -建築の響きとその理論-』/ 市ヶ谷出版社
N.H.フレッチャー、T.D.ロッシング 著(岸憲史、久保田秀美、吉川茂 訳)『楽器の物理学』 / 丸善出版
ユンゲル・メイヤー 著(日高孝之 訳)『ホールの響きと音楽演奏』 / 市ヶ谷出版社
ハインリッヒ・クットルフ 著(藤原恭司、日高孝之 訳)『室内音響学 -建築の響きとその理論-』/ 市ヶ谷出版社
N.H.フレッチャー、T.D.ロッシング 著(岸憲史、久保田秀美、吉川茂 訳)『楽器の物理学』 / 丸善出版
注釈および材料資料
注1
(0.161 * 765) / (0.15 * 402.3) = 123.165 / 60.345 = 2.04 秒
セービンの式で500hzの吸音率0.15とする、床面積、体積の割合は図面より算出
セービンの式で500hzの吸音率0.15とする、床面積、体積の割合は図面より算出
表面積(下記内訳) | 402.3㎡ |
---|---|
床面積・天井面積 | 14.5 x 13.5 x 87% = 170 ㎡ |
舞台壁面積 | 4.1m x 10 m = 41㎡ |
客席後方壁面積 | 4.75m x 12.8m = 60.8㎡ |
客席壁面積 | 14.5m x 5m x 90% = 65.25 ㎡ x 2 = 130.5 ㎡ |
体積 | 170㎡ x 5m x 90% = 765 ㎥ |
注2
高さ5M地点0.1m体積 | 5m x 13m x 0.1m = 6.5㎥ |
---|---|
客席後方面 0.1m体積 | 4.75m x 12.8m x 0.1m = 6.08㎥ |
壁(軽量鉄骨&グラスウール + 下地A +下地B +仕上げ材)
名称 | 大きさ | 厚さ | 重さ | 密度 |
舞台仕上げ材 SOLID | 910×182mm | 5.5mm | 約3.7kg | 4.062 g/㎥ |
---|---|---|---|---|
客席仕上げ材 DAIKEN グラビオUA | 910x2420mm | 6.6mm | 約11kg | 0.756 g/㎥ |
下地A 吉野石膏 タイガーボード | 910×1820mm | 12.5mm | 14.1kg | 0.681 g/㎥ |
下地B DAIKEN 遮音パネル18.5 (石膏ボード) | 910×1820mm | 12.5mm | 32kg | 0.681 g/㎥ |
下地B DAIKEN 遮音パネル18.5 (特殊高比重塩ビ樹脂制振マット) | 910×1820mm | 6mm | 1.801 g/㎥ |
床(万協フリーフロア + パーティクルボード + 床材)
名称 | 大きさ | 厚さ | 重さ | 密度 |
ウッドワン FG0360J-B (サクラ・カバノキ) | 910x91mm | 15.0mm (単板厚: 3.0mm) | 約0.3kg | 0.241 g/㎥ |
---|---|---|---|---|
塩ビ樹脂制振マット | 6mm |
よくある質問
なぜ舞台に高さがないのですか?(なぜ舞台と客席がフラット 等々)
設計の締切ギリギリまで悩みました。主に下記4つの理由でフラットにしています。
- 舞台の床に伝わる音や楽器の振動をダイレクトに客席まで伝えたかった。
- ピアノ庫の位置が控室の広さや出入口の扉位置、空調のダクト等々のかねあいもあり、客席数をできるだけ大きくとるには、ピアノ庫を客席後方に設置しないといけなくなったのでピアノを舞台まで危険なく運ぶため。
- 舞台として使う面積の拡張性、舞台の大きさで編成に制限を設けたくない。この結果、「ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュトゥットガルト」「新イタリア合奏団」などの8人以上の奏者による公演ができました。
- 狭い空間なので演奏者と同じ空間にいるという連続性を感覚的にも象徴的にあらわすため。
客席の後方に雛段おいて視界を確保してほしい
危険なのでやりません(改装してでもやったほうがよいとの要望もありました)、そのかわり客席の高さを椅子の座高の4段階にすることである程度の視界を確保しています。
主催公演では出演者の許可があれば、サイドモニターに映像を流すようにしています。
主催公演では出演者の許可があれば、サイドモニターに映像を流すようにしています。
バリアフリーですか?
入口からホール客席までは、エレベーター等をつかっていただければ、(躓くような)大きな段差はなく入場できます。お手洗いも車椅子が旋回できるだけの広さを確保した、だれでもトイレを2Fに用意してあります。客席は段差はありませんので好きな場所まで車椅子のまま移動できます。
スロープ状の場所もないので、安心してご来場ください。
スロープ状の場所もないので、安心してご来場ください。
ホール開館当時の空調の騒音について
メーカー側(ダイキン)の協力の元、冷暖房が効くギリギリのところまで出力落とし風量を減らしました。風が出る口の風向調整の羽をすべて撤去し、満遍なく冷やす、温めることより、風切り音をなくすようにしました。
このため、直接風のあたる場所が数カ所できてしまいました。結果、客席での快適性を犠牲にして静音を優先する結果となりました。
このため、直接風のあたる場所が数カ所できてしまいました。結果、客席での快適性を犠牲にして静音を優先する結果となりました。